世界中で使われているSNSですが、今回は世界で人気のSNSの利用率、ユーザー数をまとめました。国ごとに若干人気のSNSは異なってきます。
SNSの人気の背景にあるものを解説しながら世界の流行を追っていきましょう。
世界のSNSユーザー数・利用率ランキング
Facebookは公式サイトや公式イベントなどで様々な数値を公開しています。
- 2018年12月のデイリーアクティブユーザー数は15億2000万人
- 2018年12月31日時点での月間アクティブユーザー数は23億2000万人
発展途上国にもFacebookのインフラが敷かれており、このプラットフォームの上に様々なビジネスが展開されています。メッセンジャーはFacebookユーザー間で使えるチャットアプリで他のユーザーがログイン中かどうかを確認できます。
またFacebook広告はターゲティングの細かく設定できるため、ROASも高いです。マス広告からWEB広告、SNS広告へと企業の広告予算の比重が移ってきています。
YouTube
今や世界一の動画プラットフォームになったYouTube。2004年に創設され、その1年8ヶ月後、2005年10月に当時スタートアップであったYouTubeに対してGoogleは16.5億ドル(約2000億円)を株式譲渡で買収しています。
買収の理由は「市場占有率の確保」「競争力の向上」「コミュニティの作成」の3つが挙げられます。そして見事に顧客データを拡大し、最終的に広告主を増やすことに成功しました。Googleには成長中のスターアップに投資をし、自社で育て上げるという事例が多くあります。
そしてYouTubeは次の4つをコンセプトに掲げています。
表現の自由
すべての人が自由に発言し、意見を交換し、率直に対話できるべきであり、また、創造的自由は新しい意見や表現形式、可能性につながるものであると YouTube は考えます。
情報にアクセスする自由
すべての人が、オープンな情報に簡単にアクセスできるべきであり、また動画は、教育や理解形成の場をもたらし、世界中の出来事を規模の大小にかかわらず記録できる強力なツールであると YouTube は考えます。
機会を得る自由
すべての人が、自分を表現できる機会を持ち、ビジネスを構築し、自分が思い描く成功を手に入れることができ、また、何が人々の心に響くかということを既存の価値観によってではなく自分たちで決めることができるべきだと YouTube は考えます。
参加する自由
すべての人が、サポートしてくれるコミュニティを見つけ、障壁を取り除き、国境を越え、同じ関心や情熱の下に集まることができるべきだと YouTube は考えます。
Twitterは以下のような数値を公式サイトやTwitter Japanアカウント、Twitter Q3 2018 Shareholder Letterで発表しています。
- 月間アクティブアカウント数:3億2,600万
- デイリーアクティブユーザー:9%増加(前年比)
私たちは表現の自由を信じ、すべてのユーザーが、世界に影響を与える力を持っていると考えています
引用元:twitter公式ホームページ(https://about.twitter.com/ja/values.html)
上記のTwitter社の企業理念にあるように一般のユーザーに加え、企業、芸能人、キャラクター、政治家など、様々な立場の人がTwitterで情報発信をしています。
なお、Twitterでは健全なプラットフォームを維持させるために様々な施策が打たれています。
日本と米国において、Twitter上で自殺に関係する検索を行った際、検索結果の一番上に専門のパートナー団体 (東京自殺防止センター @tokyo9090 )へのご案内が表示されるようになります。
自殺や自傷を考えていらっしゃる方がTwitterを使われた際、信頼できる専門家と出会っていただけますように。 pic.twitter.com/fWNMpDCxxW— Twitter Japan (@TwitterJP) January 18, 2018
自殺について検索すると専門団体への案内を上位表示されるようになりました。またフェイクニュースと判断された投稿を表示できなくしたりと質を担保するようになりました。
偽アカウントの一斉削除も近年話題になりましたがこれも誰もが使いやすい健全なプラットフォームを維持するためと言えるでしょう。
Instagramでは以下の数値を公式サイトや日本経済新聞で発表しています。
- 月間アクティブアカウント数:10億人以上
- デイリーアクティブユーザー数:5億人以上
- 1日に投稿されるストーリーズ:4億以上
最近ではショッピング機能など、外部サイトと連携する機能が増えているいます。ストーリーやフィード広告にURLを掲載できるようになり、企業広告も増えてきています。Facebook広告の類になるのでターゲット選定も同様に細かく設定できるのが広告主にとっての利点です。Facebook社はそのほとんどを広告で利益をあげているのでユーザーのデータを細部までとっています。
さらに、日本の利用者が1日に投稿するストーリーズの数は700万件にも及び、2年間で20倍(2016年9月と2018年9月の比較)にも増加したと、「Instagram Day Tokyo 2018」で発表されました。
2018年6月には、投稿画像に商品名や値段をタグ付けでき、クリックするだけでECサイトに誘導できる「ショッピング機能」が日本でも利用できるようになりました。Instagramから商品をそのまま購入できるようになるため、EC事業者にとっては大きなチャンスになりそうです。
Today, we're introducing checkout on Instagram. When you find a product you love, you can now buy it without leaving the app. 🛍💕https://t.co/o1L5WsfgVE pic.twitter.com/IlVJxOr10x
— Instagram (@instagram) March 19, 2019
また、11月には、気になった商品をブックマークしておける「ショッピングコレクション」や動画投稿でも「ショッピング機能」が使えるようになるなど、3つの新しい機能が追加されました。
LINE
2011年にサービスが開始されたLINEは急成長を遂げて今や国民のインフラになっています。運営元は「NAVERまとめ」や「ハンゲーム」などのサービスを提供しているNHN Japanです。
現在のユーザー数、国内の浸透率が以下のようになっています。
- 月間アクティブユーザー数:2億1,700万人以上(LINE 2017年2月-2017年9月媒体資料)
- 主要4カ国(日本・台湾・タイ・インドネシア)の月間アクティブユーザー数:1億6,500万人
- 国内月間アクティブユーザー数:7,800万人以上
2013年になるとダウンロード数は1億という大台を突破し、世界中でのユーザーを増やして行っています。しかし、韓国ではカカオトーク、中国ではwechatなどのチャットアプリが定着しているためここでのシェアを取ることには苦戦しているようです。
最近ではLINEのアプリ内にあらゆる機能が実装されています。LINEニュース、LINEPay、最近ではストーリー機能も使えるようになりラインという1つのアプリで大体のことが済むようになっています。
TikTok
中国のバイトダンス社が2016年に提供開始した(リップシンク)動画共有サービスです。公式サイトでは正確な数字は公開されていませんが、2019年2月6日に日本のMAU数を初めて公表しました。
- 国内月間アクティブユーザー数:950万人
字節跳動の世界戦略は、3つにまとめることができます。
1)よく考えられたUI(ユーザインタフェース)
Tik Tockの成功の一番の要因と言われているのが練り上げられたUIです。初めてアプリを使う人でも数分さわれば大体の機能が理解できる上に、多くの頃ができるというのが驚きです。他のSNSを使ったことがある人であればすぐに馴染むことができるでしょう。
2)技術力に支えられたUX(ユーザ体験)
Tik Tockと言えば音楽に合わせて踊るシーンが思い浮かぶ方も多いと思います。その動きを捉えてスタンプ合成を作るとなると高度な技術が必要とされます。中国はもともと顔認証の技術が発展していたのがプラスに働いているとも言えるでしょう。
激しい動きをするとスタンプが取れてしまうと動きを制限せねばならず、そうなるとエンタメのアプリとしての魅力が削がれてしまいます。ユーザーへ届ける価値を追求していった結果がこのような成果を生みました。
3)グローカルなプロモーション
Tik Tockのプロモーション動画を見たことがあるという人は多いと思います。多額の広告費をかけてマスに認知度を広げる一方、各地のインフルエンサーを起用してマーケティングを行うなどターゲティングを絞った施策を打ってきました。
また国ごとに流行っているコンテンツや文化は違います。日本では女子高生が人気を集めていますが本場中国ではホームビデオなどの家族ものが人気を集めています。
SnapChat
- 世界におけるデイリーアクティブユーザー数 :1億8,600万人以上
LINEなどのチャットアプリと似ている部分は多いですが最大の特徴はやりとりの履歴が残らないということです。SNSで一番怖いのが黒歴史。一定の時間内に記録が消えるからこそざっくばらんな会話ができます。
またもう1つの特徴はコミュニティ形成の手法にあります。
「Facebook」は友人同士のコネクションを増やす目的で作られたとはいえ、頻繁に遊ばない友人や、顔見知り程度の人とでも気軽に繋がることができる。広く浅いコミュニティが形成されるのだ。「Twitter」や「Instagram」は全く知らない人同士の繋がりを作ることで、新たなインスプレーションの発見を促しています。
一方、「Snapchat」はセルフィー動画を送りあったりすることから、エンゲージの強い身近な友人間のコミュニティ形成に力を入れています。ターゲットユーザーは、日常生活で頻繁に出会ったり遊んだりするような友人であり、距離も遠くに離れていないような地元の友人グループです。
ローカルベースの友人間の繋がりを1つ1つ作り上げていくことで、小さなコミュニティが幾つも完成していく。「Snapchat」はあくまでも小規模コミュニティの数を増やすことを目指しています。
ビジネス系ソーシャルメディアであるLinkedinの利用状況を見てみましょう。
- 登録ユーザー数:5億9,000万人以上
- 国内登録ユーザー数:200万人
日本は海外に比べてLinkedinの利用率は低いです。しかし、最近では外資系企業を中心にLinkedin経由で面接が決定することも多くなってきています。
Linkedinを使うメリットとして、①採用したい人材に直接アプローチできる②自社のブランディング活動ができるというのがあります。
人材を採用したい企業側としては転職エージェントに高いマージンを出すより、SNSを通じてダイレクトリクルーティングをする方がコスト面でもプラスですね。
また、自社のプロフィールを作成し、情報発信することで自社のブランディングが可能です。ブランディングはユーザーだけでなく、他社への印象付けにもつながります。
また、フォロワーを増やせば、転職における潜在層にも自社の魅力をアピールできるでしょう。
まとめ
最初は一般消費者を広くあまねくターゲットとしていたSNS業界ですが最近では業界に特化したプラットフォームが台頭しています。プラットフォームが最適化、細分化されるという流れは今後も止まらないでしょう。
SNSに限らずクラウドワークス等のプラットフォームも最近では業界ごとに細分化されています。SNSを分析してみると次の流行が見えてきます。