若い世代を筆頭に、いまや日本国民の4人に1人がアクティブに使っているインスタグラム。
最近では、インスタグラムで人気を集めてたことにより、もともとは観光地ではなかった地域が再生したり、ある1つの商品が爆発的に売れたり、地元で人気のカフェが県外からの訪問者いっぱいになったという事例も多いです。
「地方自治体や地方の中小企業が運営するインスタグラムの事例を知りたい」
「インスタグラムで地域の魅力を近郊住民に発信していきたい」
「より多くの人に新しい情報を発信していきたいけれど、よくわからない…」という方に!
今回は、自治体や地方の中小企業がインスタグラムを活用するメリットと、北海道・東北地方で、インスタグラムを使って情報を発信している公式アカウントの特徴やノウハウをご紹介します。
これから観光情報を発信するアカウントを作成しようと悩んでいる方や、今現在運営しているアカウントをさらに活性化させようとしている担当者の方はぜひ参考にしてみてください。
インスタグラムとは?
インスタグラムはFacebook, Inc.が所有する2010年にできたSNSです。
画像引用:Facebook社 Instagramニュース
- 日々の情報発信し、認知を拡大する新たな共有手段
- タグ検索などで新しい顧客を発見するのに役立つ
- 既存のファンとつながり、コミュニケーションがとれる
- ビジネス機能、ショップ機能、「料理を注文」スタンプなど購入促進や集客に効果的な機能がある
個人やブランドがインターネット上にページを作り、写真や動画の「ビジュアル」で世界観を表現をしたり、多彩な機能を使ってコミュニケーションをすることができます。
なぜインスタグラムはビジネスで注目されているのか
国内月間アクティブアカウント数が3300万(参考:インスタグラム公式、2019年3月時点 Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破 – Facebookについて )で、
日本の人口は2021年時点で1.25億人ですので、4人に1人はインスタグラムユーザーといえます。
これまでは「女性ユーザー」が多い印象でしたが、30代~60代のユーザーも増え、また男性比率も43%となり、幅広い層がインスタグラムを利用しています。
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インスタグラムはハッシュタグで繋がるSNS
インスタグラムにおいて、ハッシュタグは投稿画像やアカウントを認知するためのキーワードとして使われています。例えば、テーマや撮影場所、商品名、ターゲットのコミュニティを表すキーワードをハッシュタグで表現し、投稿写真や動画を言語化します。
インスタグラムユーザーはこのハッシュタグをたよりに自分の求める投稿を検索したり、ユーザー同士をつなぐ役割を担っています。
インスタグラムが浸透し、情報を集める方法としてグーグルなどの「検索エンジンからの情報収集」から「タグる」=「ハッシュタグを使ってSNSで情報収集をする」ことに変化しています。
特に、若い世代の間では最新トレンドを検索するツールとして日常的に使われ、ハッシュタグで繋がることが当たり前となってきました。
検索エンジンで見つけだした情報よりも、インスタグラムをはじめとするSNSで見つかる情報のほうがユーザー目線に近いものが多い点や、トレンドや流行など情報の鮮度が高い点が、昨今の検索行動が”ググる”から”タグる”へ変化している理由だと言えるでしょう。
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地方自治体や中小企業がインスタグラムを活用する3つのメリット
画像や動画を使って地域の情報をリアルタイムに発信できるインスタグラム。さまざまな業種で公式アカウントが開設され、自社の商品やサービスのPRを行っています。
そこで、まずは地方自治体や中小企業がインスタグラムを活用する3つのメリットを紹介いたします。
①地域を問わず、効率的に情報を発信できる
インスタグラムの活用で、地域を問わずに不特定多数のインスタグラムユーザーに対して、効果的に発信情報を「知ってもらう」ことができます。
最近では、ポスター・パンフレットやガイドブックに代わってインスタグラムを観光客誘致を目的として運用し、世界各地のインスタグラムユーザーにリアルで旬な情報をインパクトのある写真や動画で提供する自治体や企業が増えています。
Instagram社が2018年に実施した調査では、定期的に旅行する人のうち46%が「休暇の計画を立てる際にInstagramを使う」と回答しました。
このように、SNSを使って旅行先や購入品を決める人々に向けて、インスタグラムを活用して地域の情報を発信し、実際に地域や店舗に足を運んでもらいましょう。
#北海道旅行 投稿 64.9万件
#福島旅行 投稿 2.6万件
#山形旅行 投稿 4万件 など
【関連記事】インスタグラム「地図検索機能」近隣エリアを検索!!位置情報がポイント
②10億超の世界のユーザーに言語や国の壁を越えて、魅力を伝えられる
CMやポスター、ガイドブックなどに写真が多く活用されているように言語や国の壁を超えた宣伝には基本的に画像と動画が活用されています。この点が企業の認知拡大方法とインスタグラムとは非常に相性がいいです。
宣伝方法によっては文章で伝えたいと思われる方でも、文章をうまいこと画像や動画に落とし込めれば、それは独自性のあるアカウント運営ができるでしょう。
#traveljapan 投稿 148万件
#discoverjapan 投稿80万件 など
③テレビや新聞を見ない人にも、地域の最新情報を届けられる
2021年5月20日、NHK放送文化研究所が『国民生活時間調査』を発表では、10代~20代のおよそ2人に1人はテレビを見ていないという結果となり、「テレビは日常的なメディアだ」とは言いづらくなりました。
その代わりに、多くの日本人はSNSを情報収集に利用していて、Instagram社の調査によるとインスタグラムユーザーの「81%がインスタグラムで新しい商品やサービスを検索する」という結果も出ています。
親世代や主婦層のインスタグラムの利用者数も年々増加傾向にあるため、インスタグラムを活用することで、より多くの人に情報を発信することが可能です。
参考:IPSOS「プロジェクトインスタグラム」ユーザー調査(インスタグラム委託),2018年11⽉
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北海道・東北発のインスタグラム運用事例
ここからは、北海道・東北地方で、実際にインスタグラムの強みを活かして情報発信を行っている自治体や観光案内所の事例を都道府県別に紹介していきます。
北海道
#北海道旅行 投稿64.9万件
#北海道観光 投稿14.2万件
【関連記事】北海道札幌のSNSマーケティング成功事例やインスタ映えを解説
札幌観光協会公式【ようこそさっぽろ】
定期的に開催されるフォトコンテストの応募作品の中からオリジナルハッシュタグをつけた一般ユーザーの投稿をリポストしています。
約1,900いいねを獲得している投稿もあり、非常にエンゲージメント率が高いです。
愛別町(あいべつきのちゃん)
北海道愛別町役場が運営するインスタグラム。この町で生まれたキャラクター『きのちゃん』の毎日の何気なくてあったかい生活をアニメのようなイラストに描いて投稿しているオリジナリティ溢れる投稿が特徴です。
湧別町(北海道・オホーツク管内)
北海道湧別町役場はオホーツク海とサロマ湖に囲まれたチューリップの町・湧別町の魅力を発信しています。
写真の映え方も素晴らしいですが、「 #yubetsu_love 」をプロフィールでPR、現在約1,300件も投稿があるのはすごいです。オリジナルのハッシュタグでうまく拡散され、PRができています。
壮瞥町 Sobetsu Town
地域おこし協力隊の4名が旬な情報や「そうべつ」の魅力を発信しています。
ストーリーズ機能を活用し、「図書館便り」「お知らせ」などのタイトルでハイライトにまとめています。ご当地グルメや日常の様子を紹介しているフィード投稿とは異なり、様々なインスタグラム投稿をうかがうことができます。
【関連記事】ストーリーズハイライト機能とは?カテゴリー分類のヒント&活用事例を厳選紹介!
青森県
#青森旅行 投稿4.2万件
#青森観光 投稿1.8万件
【関連記事】青森県のインスタグラム/SNSマーケティング事例やインスタグラマーを紹介
青森市【公式】
市内のおすすめスポットや素敵な風景を紹介!地域のインスタグラムユーザーに、日常の一コマ等にハッシュタグ「#あおもり日和」または「#aomori_days」をつけて投稿してもらい、リポスト投稿する市民参加型のインスタグラム運営です。「#aomori_days」は約2,900件も投稿があり、非常ににぎわっています。
おいらせ町【魅力再発見】フォトコンテスト事務局
青森県の「おいらせ町フォトコンテスト2020」専用アカウントです。フォトコンテストは、地域の魅力を一般ユーザー目線で発信できるキャンペーンで、自社インスタグラムアカウントに紹介(リポスト)して高クオリティの投稿を集めています。
宮城県
#宮城旅行 投稿1.9万件
#宮城観光 投稿2万件
【関連記事】仙台でインスタ映え!宮城のSNSマーケティング成功事例や活用術を解説
七ヶ浜町学校給食インスタグラム
宮城県七ヶ浜町学校給食センターのインスタグラムです。七ヶ浜町公式インスタグラムとは別の運営で、長期休暇や週末等は除いた毎日、「今日の給食」の献立を紹介しています。
宮城県涌谷町 Wakuya Town
フィード投稿にていねいにハッシュタグを記入しています。どのような層がフォロワーになってほしい属性なのかを意識して、ハッシュタグを選定することがポイントです。
秋田県
#秋田旅行 投稿1.9万件
#秋田観光 投稿1.5万件
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鹿角いいね!
秋田県鹿角市の公式Instagramです。「#鹿角いいね」をつけて投稿いただいた写真や、地域での日常や特別イベント、地域企業の紹介・就職者へのメッセージなどの情報を紹介しています。
秋田県北秋田市【公式】
認知度の高い「ふるさと大使ハローキティ」のマスコットキャラクターを活用し、より多くの人に愛着がわくようなオリジナリティ溢れる運営。「#きたあきた宣伝部 」と投稿につけていただき、その中からステキな写真をリポストしています。
岩手県
#岩手観光 投稿1.9万件
#岩手旅行 投稿1.8万件
【関連記事】岩手県のSNSマーケティング成功事例や広告まとめ
一関市
ハイライト活用、2020年の1年間のみの限定期間のみのアカウントです。多くのユーザーから一関のお気に入り写真を「#一関カレンダー」とタグ付け投稿してもらっています。
花巻市
岩手県花巻市の公式アカウントです。ご当地グルメや地域イベントの様子を、とにかくきれいな写真とキャプションで紹介しているフィード投稿とは異なり、ストーリーズ機能を活用し、「イベント告知」などのタイトルでハイライトにまとめています。
山形県
#山形旅行 投稿4万件
#山形観光 投稿3.9万件
【関連記事】山形県のインスタグラム/SNSマーケティング事例やインスタグラマーを紹介
山形県 酒田市
酒田市公式アカウントは、酒田の魅力を発信。「#酒田みっけ」をつけて投稿したユーザーの投稿を『月間 酒田みっけ大賞』として毎月リポストで紹介しています。
山形県警察本部(採用担当)
山形県警の「採用専用」のアカウントです。学生や若い世代に向けて、警察学校内での様子や、説明会に関する情報を、ポスター写真や実際の風景の写真を投稿し、またキャプションで状況をわかりやすく解説しています。
【関連記事】【採用編】企業がインスタグラムやSNSで採用を成功させるコツ(ハッシュタグ)
福島県
#福島旅行 投稿2.6万件
#福島観光 投稿1.9万件
【関連記事】福島県のインスタグラム/SNSマーケティング事例やインスタグラマーを紹介
郡山市シティプロモーション
フォロワーの皆さんと一緒に「#mykoriyama 」などのオリジナルハッシュタグを活用し、こおりやまの魅力を発信。
ストーリーズハイライト機能では「郡山の夜」「春」「郡山写真部」などのタイトルでカテゴライズし、ポスターや文章をストーリーズ動画で紹介しています。
【公式】福島県桑折町(こおりまち)
「こおり写ん歩」のオリジナルハッシュタグを活用し、地域の方と協力してこおりまちの魅力を発信しています。
ストーリーズハイライト機能は「イルミネーション」「グルメ」「郡山写真部」などのタイトルでカテゴライズし、ポスターや文章をストーリーズ動画で紹介しています。
まとめ
「地方自治体のインスタグラムはどのような運用事例があるの?」
「地域密着型の企業や地方の中小企業でインスタグラムの運用はどうなの?」
「インスタグラムで集客の活用方法は?」
といった方のために、今回はインスタグラムを活用するメリットから、北海道・東北地方の企業や自治体のインスタグラムアカウント事例を紹介しました。
インスタグラムは多くの人が利用し、利用されているハッシュタグをベースに検索窓で検索して画像や動画を検索して閲覧するだけではなく、実際に旅行先や購入品を決めています。
SNS担当者の方や、インスタグラムで集客したいと考えている方はぜひ、参考にしていただき、ご自身の集客方法にあったインスタグラムの運用にご活用ください。